加齢とともに目立ってくる、シミ、シワ、たるみ、くすみなどの肌悩みを、一気に改善してくれる注目の治療機器がシルファームXです。まだあまり多くのクリニックでは導入されていないので、知らない方も多いと思います。そこで、今回は、シルファームXの特徴についてご紹介します。
シルファームXの特徴とメリットデメリット
シルファームXとは、マイクロニードルと呼ばれる細い針を皮膚に刺し、高周波(RF)を直接届ける治療機器です。マイクロニードルによって傷ついた肌を修復しようとする時にもたらされる皮膚の再生効果と、肌に届いた高周波(RF)の刺激により、肌の活性化の効果が得られます。
マイクロニードルの長さは0.3mm~4.0mmなので、肌悩みに合わせて、表皮層の上部から真皮層の奥にまで高周波を届けることが可能です。
また、「バイポーラ連続パルス」と「繰り返しパルス」の2種の周波の使い分けや組み合わせによって、さまざまな肌悩みの改善ができます。このように、針の長さと周波を調整することで、肌のハリツヤアップ、シミ、シワの改善、くすみや肌の赤みの除去、肌質改善など、さまざまな美肌効果が期待できます。
肌表面へのダメージが少なく、ダウンタイムが短いので、年齢や肌質を選ばず、安全に美肌治療ができる美容施術といわれています。瘢痕や炎症後色素沈着のリスクが極めて少ないこともメリットです。
また、シルファームXの表皮へのダメージは、微細な穴を開ける程度であり、影響を最小限に抑えつつ、真皮層へアプローチできる施術なので、遺伝子的に表皮が弱く、真皮が強い構造になっているアジア人(黄色人種)に適していることも特徴です。
ただし、マイクロニードルで開けた小さな針穴が施術後にかさぶたになることや、照射後に一時的に赤みや腫れが出ることがあります。また、施術後すぐにメイクや洗顔はできません。
さらに、金のスレッドリフトを施術された方や妊娠中、授乳中の方など、施術を受けられない場合があるので、施術前にカウンセリングなどで医師に相談しましょう。
シルファームXの効果
1つ目は、肌質の改善ができることです。
シルファームXにより高周波(RF)を照射された真皮層では、線維芽細胞が活性化し、肌のハリツヤ維持に欠かせないコラーゲンやエラスチンが増加します。また、肌表面ではマイクロニードルで傷ついた表皮を治そうと、肌の創傷治療作用がはたらきます。これらの相乗効果から、肌質が改善するのです。
2つ目は、従来のレーザーでは難しかった肝斑の治療が可能なことです。
肝斑がある部分は、表皮と真皮の間にある基底膜が薄く脆くなっているので、高周波(RF)を照射することで、基底膜を健康的な厚さへ修復します。
基底膜が修復されることにより、メラニン色素の沈着を防いで肝斑を改善します。また、高周波(RF)の照射により肌のターンオーバーが正常化され、メラノサイトのはたらきを安定させることで、メラニンの生成量が正常に戻るので、肝斑が改善されます。
3つ目は、ニキビ跡や赤ら顔の治療ができることです。
真皮層に照射した高周波(RF)が発する熱エネルギーの刺激によって、真皮の再構築を手助けするコラーゲンやエラスチンが生成されます。
すると、肌内部から肌がふっくらと持ち上がり、クレーター毛穴やニキビ跡が改善されます。また、肌が再構築される際、毛穴がキュッと引き締まり、皮脂詰まりが起こりにくくなります。皮脂詰まりはニキビの原因となるため、結果的にニキビの予防にも繋がります。
さらに、高周波(RF)による熱エネルギーが異常な毛細血管の除去や収縮を促すため、アトピー性以外の赤ら顔や肌の赤み、酒さの治療にも効果を発揮します。
4つ目は、目元や目尻の小ジワの改善、目周りのたるみの予防・改善ができることです。
シルファームXでの治療はほかのレーザーと異なり、アイガードが不要で、マイクロニードルの深さも調節できるので、まぶたや目周りの治療も可能なのです。
まとめ
シルファームXは、肝斑や目周りの治療など、従来のレーザーでは断念した経験がある方でも治療ができる施術です。さまざまな肌トラブルを同時に改善できるメリットの多い治療ですが、デメリットもしっかり理解したうえで、検討してみてください。